30代技術士の成長記録

令和元年度技術士二次試験に合格した30代技術士(機械部門)の成長記録です

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その⑪

 今回は技術士二次試験の合格体験記第11回になります。前回は口頭試験直前までを記事にしました。いよいよ口頭試験本番です。引き続き最後まで目を通していただき、受験勉強の参考にしていただけたら幸いです。

 

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その①

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その②

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その③

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その④

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その⑤

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その⑥

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その⑦  

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その⑧

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その⑨

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その⑩

 

 

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口頭試験前日

 いよいよ口頭試験前日まで来た。あとはなるようにしかならない。直前まで面接練習をしていた成果も実感できており、ここからは如何に実力を100%だしきれるかに重点を置く。また、コミュニケーション以外で躓かないよう、暗記系の勉強は直前まで念入りに行った。具体的な持ち物は別記事で紹介するつもりだが、キーワード集や参考書はこれでもかというくらいカバンに詰め込んだ。当然すべてを試験前に使うことはないだろうが、お守りみたいなものだ。あると落ち着く。

 普通に仕事をして、定時で終え、帰宅後荷物をもってすぐに出発した。夕食は新幹線の中で済ませた。私は元々胃腸が弱いため、なるべく軽めの食事にしておいた。ラーメン、焼き肉、カレーは論外である。整腸剤は用意しておいた方がいいかもしれないが、そこまで気が回らなかった。

 渋谷につくまでは4時間ほど。まぁ都会は慣れない。ホテルにチェックインできたのは11時を過ぎたころだ。どうやら以降はセキュリティの問題でホテルを出入りできないらしいが、朝食は事前に用意していたため問題なし。シャワーを浴びて一通り想定問答集をながめてから就寝した。しかし慣れない土地と明日で私の努力の成果が無駄になるかもしれないと思うと中々寝れないものだ。早くこのプレッシャーから解放されたい。

 

口頭試験当日

 口頭試験当日は9時に起きて12時までひたすら業務経歴の詳細の反復練習を行った。恐らくここが最後の練習。あとはノートや参考書を眺めることしか出来ないだろう。12時に部屋を出発し、チェックアウトを済ませてフォーラムエイトに到着したのは20分後。まず最初に受付で受験票を見せて会場の具体的な地図と、自分の試験会場が記載された資料を頂く。次どうするかだが、私の場合自分の試験会場までまずは足を運んでみた。噂通り扉の横に置かれた椅子で次の受験者が待っていた。緊張が一気に押し寄せ気持ちが昂る。

 下見を終え、控室へと向かった。ものすごい人だ。これだけの人がいるのにとても静か。寝ている人もいれば、私のように資料に目を通している方まで様々だ。部屋の入り口付近には官報の予約申し込み書?が置かれていた。凡そ3時間ほど過ごしただろうか、あっという間だった。いよいよ試験が近づいてきたため、試験会場へ向かった。ちなみに試験後は控室に戻ってこれないので忘れ物がないよう気を付けたい。

 椅子に座る前にトイレに向かったら、試験官らしき人とすれ違った。今思えばその方が私の試験の試験官だった。

 前の人は時間通り終わったらしく、「ありがとうございました」と言って出てきた。試験中の声はあまり聞こえなかったので、直前まで集中して待つことが出来る。私の試験時間まであと数分というところでいきなり中から試験官の方が出てきて「どうぞ」と私を入室させた。多少不意を突かれたが動じない。完全にスイッチが入っていた。ここからはリアルなやり取りをお伝えしたいと思う。

 

口頭試験開始

私「(入室後)失礼します」

入室すると、目の前に椅子とその先に会議用テーブル、試験官の方2人。私からみて左手側が進行役試験官A、もう一人を試験官Bとする。

椅子の横まで移動。椅子の左手側にはホワイトボードが配置されている。

私「試験番号****のチャックです。よろしくお願いします」

試験官A「よろしくお願いします、それでは荷物を置いて着席してください」

私「失礼します」

試験官A「それではまず業務内容においてどのような専門知識を生かしたか。またその立場を2分で説明してください」

私「(いきなり想定してない質問。数秒で構成を練って)まず***年から***カ月~の業務を行いました。その際はチームリーダーとして従事しました」

これを簡単に2分で話そうとしたあまり、緊張で3項目が飛んでしまった。5秒ほど固まると

試験官A「緊張しないでリラックスしてください」

私「ありがとうございます。続きまして~」

なんとか話し切った。先ほどの試験官Aの一言で一気に緊張がほぐれた。しかし、2分と指示があったのに4分ほど要した。大丈夫か?

試験官A「ありがとうございます。それではいくつか質問していきます。まず業務内容の詳細で、あなたが記入している成果はかなり大きな成果のように受け取れます。なぜこれだけの成果が出せたか理由を教えてください」

私「顧客からの要求は~でしたが、全体最適化の観点から見るといくつもの改善個所が見えてきました。品質機能展開を行うことでそれが明確になりました。方策が明確になり、さらにそれを最後まで共有し続けることで、風化させることなく実現させることが出来ました」

ちょっと長すぎたか?

試験官A「わかりました。次にコミュニケーションについて具体例を教えてください」

テンポが速い

私「〇〇の業務において~を意識し、取り組みました。」

試験官Å「DRのような定期開催以外で意見のすり合わせを行う場はありましたか。だれが主催しましたか」

私「機械設計チームでの小レビューなどは随時行いました。私がリーダーだった時は私が主催していました」

試験官A「海外顧客とのコミュニケーションの取り方を教えてください」

私「基本的には英語でメールです。電話会議や現地でのミーティングは通訳を通し、伝達ミスがないよう心がけています」

試験官B「なるほど」

今まで黙っていた試験官Bが話し始めた。

試験官B「開発工程の中で現場作業者との製品化前のすり合わせがあると思いますが、どのように対応していましたか」

私「DRに組立、サービスの有識者を集めて擦り合わせを行いました。また必ず品質機能展開表を共有し、常に情報共有できる状態としました」

何やら試験官Aが手元にある紙に〇をつけている。

試験官A「マネジメントについて具体例を教えてください」

私「業務経歴の~の件で、短納期対応時に柔軟なリソースの調整を行い納期に間に合わせました」

試験官A「どのような手法で行いましたか」

私「工程管理表を作成し、日々進捗の見える化を行いました」

試験官A「スケジュールが遅れそうな場合どうしますか」

私「品質が第一であるため、リソースの調整がうまくいかない場合は関係部署と相談してスケジュールの見直しを行います」

試験官A「リーダーシップを発揮した事例を教えてください」

私「経歴の~において、納期とコストの目標値を守りたい製造部と品質の良いものを作りたい技術部で折り合いがつきませんでした。品質の重要性を訴え、最終的に最適化できることを伝え納得して頂きました」

試験官A「コスト、人、設備など資源確保の際に生じる利害調整について、具体事例で教えてください」

どのような手法を用いたか聞きたいのかな?

私「開発において、DRの場など多くの部署が一同に会すと利害関係で上手く折り合いがつきません。どの部署にも納得してもらえるよう、全体最適化を訴えるために品質機能展開を用います。」

試験官B「経歴にある〇〇の設計は、あなたの専門分野で馴染みがないのではないでしょうか。どのようにリソースを確保しましたか」

私「OJTだけでなくOFF-JTや自己啓発を推進し、専門知識の確保に努めました」

試験官B「リソースは設計内容に対して適切な人材を割り当てなければなりません。スキルマップを用いたかどうかが聞きたかったです」

私「そうですね、以降活用していきたいと思います」

正直言うと私はリーダーとしてプロジェクトに参加していたが、役職的にスキルマップを見れる立場にない。このような状況は改善が必要だと思った。

試験官A「過去の成果をどのように活かしているか教えてください」

評価に関する質問かな?

私「〇〇設計においては、汎用性が高く、~業界以外でも活用できそうだった。暗黙知としないようナレッジマネジメントを行っている。結果他部署でも同様の成果をあげることができた」

試験官A「技術者倫理について質問します。倫理事項について具体事例を交えて教えてください」

私「公益の確保の観点から、機械安全について重点的に取り組んでいます。具体的には~の設計でリスクアセスメントを行いました」

試験官B「具体的にどのような考えを用いて設計しましたか」

私「基本的には本質的安全設計を目指します。場合に応じてフールプルーフやフェールセーフの考え方を用います。」

試験官A「継続研鑽は何をされていましたか」

私「機械設計に関する書籍を読んだり、資格の受験を通して研鑽を行ってきました」

試験官A「仕事の成果を発表した場はありますか。社内でも社外でもどちらでも結構です」

私「まずチーム内で成果発表を行う機会があります。他部署向けには技術交流会がありますので、そちらで成果を発表しました」

試験官B「今後技術士になったらどのように資質の向上を行っていきますか」

この質問は合格フラグか?

私「今後海外での業務も増えていくと思いますので、英語力を鍛え自分一人でも十分に顧客とコミュニケーションが取れるよう努力していきたいです。また、後輩への指導が出来るよう技術士としての資質を維持向上していきたいと考えています。その為にも技術士会のセミナーにも積極的に参加します」

試験官A「なるほど」

少し長くなったが、資質の向上は自分だけに当てはめるものではないと思い、後半を付け足した。手応えは良かった。

試験官A「それではこれで終わりにしたいと思います」

私「ありがとうございました」

椅子から立ち、荷物を持ってドアへ向かう。

私「ありがとうございました。失礼します」

お辞儀をして部屋を出た。

 

口頭試験の振り返り

 口頭試験が終わって、とてもすがすがしい気持ちになった。色々トラブルはあった。しかし自分の実力を100%とするなら80%くらいは出せた。何週間かにわたって模擬面接を行ったことにより、受け答えはしっかりできた(最初の業務経歴を除けば)。

 やっと解放されたと思い、打ち上げをしたいところだが、上記のような形かもう少し簡潔にでもいいので、試験内容を記録しておくと良い。私の場合は新幹線の移動時間を使い、スマホのメモに残しておいた。今でもこれを見ることで振り返りできる。仮に不合格だった場合は翌年対策に使える。

 ここで私がメモした内容をいくつか共有させていただく。まず専門知識に関する質問は一切なかったこと。以前も触れたが、口頭試験は筆記試験の繰り返しになってはならない。恐らくよほど筆記試験の結果に問題がなければ、私のような形式で進んでいくだろう。そして2つ目に評価はリアルタイムで行っているということ。コンピテンシーごとに問題がなければ丸を付けているように見えた。そこが気になってしまっては元も子もないが、自分の回答が適切だったかを知る方法の一つだ。最後に度々「あなたが主体となって行った業務ですよね」と確認された。私の場合、嘘偽りはないのではっきり「そうです」と返事をした。

  家に到着してまず初めに、妻と子供に感謝の気持ちを伝えた。合格したわけではないが、その日が来るまではたっぷりと家族サービスをしていきたい。