30代技術士の成長記録

令和元年度技術士二次試験に合格した30代技術士(機械部門)の成長記録です

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その①

 技術士二次試験に関する情報発信の中で断片的に私の経験を語ってきましたが、一度まとめてみたいと思います。受験勉強の息抜きや来年目指す方のモチベーション向上に役立てれば幸いです。最初に言っておくと私は機械部門・機械設計の技術士です。

 

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技術士二次試験受験を決めるまで

 2018年12月下旬、機械設計技術者試験1級の合格発表があった。なんとか合格し、多方面からお祝いの言葉を頂いた。特に当時の上司は自分のことのように喜んでくれた。しかし私は周りに対し冷めた態度をとっていたと思う。更にそんな自分を客観的に見てイライラしていた。恐らく当時私の心の中には二つの感情が入り混じっていた。努力が報われて嬉しい、が物足りない。

 私は元々技術士になりたくて、そのステップアップに機械設計技術者試験を選んだ。1級は計算問題だけでなく、論文問題もあり、勉強の成果は技術士二次試験にも活かせるためである。ステップとはいえ難易度は高い。実際余裕なんてなかった。勉強時間もかなり多かったと思う。機械設計に関する資格の中で、技術士二次試験を除いたら最高難度といえる。だから合格した時、正直ここまででいいかって思った自分(喜んでいる自分)と技術士二次試験が控えてるでしょって思った自分(冷めてる自分)がいた。あと出来れば周りに「お前なら受かって当然」って言ってほしかったのでちょっと拗ねていたのもあるかもしれない。

 12月は忘年会シーズンで何かと飲み会が多い。相変わらずちやほやされつつ、信頼できる人にこっそり相談した。とにかく休めとアドバイスを頂いた。年末年始の休暇を完全オフにして今後のことについて考えてみることにした。これが何よりも薬になった。

 次の目標は技術士二次試験に合格することになった。ここまで来れば、他の資格試験と同じだ。いきなり1月4日から受験勉強のスイッチを入れることが出来た。幸いまだ正月休みは残っており、いきなり纏めて勉強時間を作るとそのあと継続しやすい。バーベキューの火起こしと同じかも。

 

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家族へ理解を求める

 私の二次試験合格までの計画は、奥さんに話してあったが小さな子供が大きくなるにつれて状況も変わってくる。何年も奥さんに負担をかけたくないし本人もそう思っているはず。そこで、相談を持ち掛けた。技術士になる事のメリット、難易度、毎週の勉強スケジュールなど可能な限り細かく伝えた。これは熱意を伝えるためには重要なプロセスだ。

 嫁さんは特に文句も言わずに了承してくれた。当たり前だが、目指すことに対して嬉しそうな素振りはないが嫌そうでもなかった。でも長年一緒にいればわかる。我慢していることくらい。単に技術士になるという目標ではなく、一発で合格すると心に決めた。

 

技術士二次試験 勉強方法の模索

 勉強を始める際、まずやらなければいけないことがある。自分が技術士になった際、何部門で選択科目をどうするのか決めるのである。仕事はがっつり機械設計なのである程度機械部門の機械設計で固まっていたが、丁度そのころ流体機器の設計に携わっていたので流体機器にも興味がわいた。しかし、過去問を見て正直かじっただけの知識では通用しなさそうだったので、予定通り機械部門・機械設計で受験することにした。

 次は具体的な勉強方法を探らなければならない。1月4日から勉強を始めたといっても、とりあえず機械設計技術者試験のときに買っていた二次試験の参考書を眺めていただけである。まず日刊工業新聞社の参考書から論文の御作法や過去問の模範解答を確認した。

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記念すべき1冊目の参考書

 

 

そして、気になったのはキーワード学習なるものである。これは技術士二次試験の最重要プロセスと言っても過言ではない。

 

 キーワード学習は参考書を見てもらえればわかるが、自作のノートに手書きで自身の部門や専門科目のキーワードに関する情報をまとめる作業である。これがとてもしんどい。合格には200個のキーワードをまとめ覚えるのが最低ラインと言われている。1日1ページ纏めたって200日、半年以上が必要だ。とりあえず週10個まとめるというノルマを設定した。ここから勉強時間は週20時間ほど必要だと割り出した。20週つまり140日で合格ラインにのるはず。しかしこれを暗記しないといけないとのことで、ここが勉強らしいところである。更に言うと、このキーワード学習はまだ導入編で、最終的に論文にアウトプットする練習を積まなければならない。ここが技術士二次試験の一番つらいところだと思う。膨大な知識を折角覚えたのに、アウトプットが出来なければ報われない。そうして多くの人が涙を飲んだのだろう。ある程度の計画のめどが立ったので、試験日までのスケジュール表を作成した。計画を立てることの重要性は以下の記事にまとめてあるので是非参考にしていただきたい。

 

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 正直私は論文が苦手だったので、そういった心配も常々頭をよぎる。キーワード学習はやり過ぎると手が痛くなる。そういったときはなるべく参考論文を読むようにして、論文作成スキルを向上させた。1月から3月にかけてはひたすら地道な勉強を重ねていった。

 しかし嬉しい誤算もある。キーワード学習は、今まで触れてこなかった知識を吸収する機会になる。よく職場の設計レビューで、何気なくその知識を披露するたび感心してもらえた。ただ披露するのではなく、知識を応用して解決策を提供する。私の意見で問題が解決に向かうこともしばしばあった。まだ技術士にはなってないが、このような振る舞いこそ技術士に求められている姿なのだと実感し、ますますやる気が出るのである。モチベーションの維持は重要なのだ。

 

続く

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 その②へ続く

令和元年度技術士二次試験合格体験記 その②