技術士二次試験の筆記試験が行われてから2週間が経とうとしています。口頭試験はまだ大分先のように感じますが、筆記試験の合格発表を確認してから準備するのでは少々遅い気もします。私も筆記試験合格後から本格的な準備を始めましたが、それは合格の確証が得られなかったからです。今思えばその考えは間違っていたと断言できます。なぜなら準備期間が足りなかったからです。筆記試験の延長と考えていると痛い目を見ます。そして口頭試験に進めなかったとしても、来年再来年があります。いずれ技術士になるつもりがあるようでしたら、口頭試験は避けては通れません。今準備しても決して無駄にならないはずです。
既にそのような心持の方向けに、口頭試験対策を公開します。今回は基本部分、概要です。詳細は追加で公開予定です。
技術士二次試験 口頭試験とは
技術士二次試験は筆記試験と口頭試験の2段構えです。筆記試験を合格した者のみ口頭試験の受験資格が与えられ、これを合格した者が技術士になる資格を得られます。つまり技術士になるための最終関門です。通常11月下旬~1月中旬までの間に部門ごとに試験が行われます。令和2年度は筆記試験の延期がありましたので、2月上旬~3月中旬の間で行われます。筆記試験に合格して口頭試験不合格だった場合、翌年以降はまた筆記試験を受ける必要があります。合格率が高いこともあり、確実に合格したいところです。
合格率
合格率は部門によってばらつきがあります。機械部門は75.7%でした。全体では70~80%だと思っておけばいいです。つまり4~5人に1人が不合格になる計算です。この数字は正直高いと思いますよね?でも実際はどうでしょう。あなたの筆記試験の得点は全筆記試験合格者の中でも最低点だったとします。その場合、かなり高い確率で口頭試験不合格者20%に含まれてしまうのではないでしょうか。口頭試験は筆記試験を通過した強者が受験するため、合格率は高くて当たり前です。 筆記試験の受験者の中には、2部門目の受験者や前年度の不合格者など、初めて受験する方よりもアドバンテージを持った方々がおられます。そういう受かるべくして受かる方々を除くと、不思議なことに不合格になる確率って意外と高くなるんです。
合格へのポイント
それではどのようにしたら合格率を上げることが出来るのか?それは適切な対策を行いしっかり準備することです。口頭試験は加点式とされています。すなわち、試験官は合格させるつもりで私たちを見ています。どうしたら加点が上手くいくのか?を軸に私の口頭試験対策を公開したいと思います。
1.合格基準を知る
加点式といっても評価項目と配点を知らなければ加点を狙いようがありません。まずは下記を見てみましょう。
全ての項目において60%以上で合格です。配点は時間配分を意味していると思われます。口頭試験は質問毎に点数がつけられ、制限時間内の合計点数が合格点を上回ればいいのです。試験時間の延長可というのは、仮に継続研鑽で加点が合格点に届かなかった場合は、延長して追加の質問をするよ、と捉えてください。ですから20分以内に試験が終わらなかった場合は、かなりギリギリのラインだと思ってください。逆にそこまでしても合格させようとしてくれると思い、延長分の質問に対しては確実に回答していきたいです。体験談を見ていると明らかにある項目に関して加点が見込めないと分かった時点で、他の質問を飛ばして不合格になるケースもあるようです。よって早く終わったからと言って合格の確率が高いという訳でもありません。
2.試験に必要な勉強方法を知る
口頭試験の試問事項は先述した通りですが、まず前提として業務経歴書の存在を忘れてはいけません。大抵の場合、口頭試験の最初に「業務経歴や業務内容の詳細を教えてください」と質問が来ます。何故かというと、経歴や業務内容の詳細は初対面の方に伝わり難いからです。例えば私が720字で業務経歴を書いたとして、それを読んだあなたは私が技術士としてふさわしいか判断できるでしょうか。出来るなら口頭試験など必要ありません。
簡単に言えば、口頭試験は業務経歴書や業務内容の詳細を補足する場であると認識します。加点はすでに経歴書を復唱しただけでできているかもしれません。逆にこの記事を見るまで経歴書や業務内容の詳細を適当に書いて後悔していた方、今からでも遅くありません。見直しましょう。
口頭試験で説明する業務経歴及び業務内容の詳細は、多少内容を変更しても問題ありません。詳しくは後で説明しますが、加点に必要な要素を盛り込みましょう。
最初の説明が終わったら、いよいよコンピテンシーに関する質問が来ます。勉強方法としては
①質問内容を予想する。
②①に対する回答を作成する。
です。
①②ともにまずはコンピテンシーについて理解することから始めましょう。以下の記事を参考にしてください。
3.アウトプットの場を設ける
口頭試験は加点式ですが、加点の機会が得られなければそれまでです。例えば20分の内、技術者倫理は4分程度の時間です。ここであなたならいくつ試問があると思いますか?2問でしょうか?3問でしょうか?答えはあなた次第です。
質問内容が分かりにくい、前置きが長いなど試験官によって当たりはずれはあるかもしれませんが、基本的には10~20秒ほどの質問が来ます。ここでいかに簡潔かつ的確に即答できるかが重要なのです。採点方式は正答率ではありませんから、回答数が多ければ多いほど有利です。
基本的には回答を準備しているとはいえ、変化球(想定していた質問を少し変えたような質問)が来た場合でも冷静に対処することが重要です。対策としては、実践の場(アウトプットの場)を設けることです。口頭試験は落とせないというプレッシャーもあり、かなり緊張します。大前提として、模擬試験を受けることをお勧めします。
以上を纏めると、
①業務経歴及び業務内容の詳細を見直し、必要に応じて変更、補足を追加
②コンピテンシーに関する回答を準備する
③回答を暗記する
④アウトプットの練習をする
です。
最後に
今回は口頭試験の基本・概要について説明してみました。次回から詳細解説等公開していきます。
・口頭試験の具体的な流れ
・想定問答集の作成
・アプトプット対策
・私の口頭試験実例 等
私の記事を参考にしていただいても構いませんが、口頭試験は対策本が出ています。予算的に問題なければいくつか読んでみることをお勧めします。