今回は技術士二次試験の口頭試験対策ということで、基本編から発展させて想定問答集の作成について記事にします。
相当問答集作成の重要性
口頭試験は形式こそ筆記試験とは異なりますが、根本の対策は同じです。いかに事前対策をしておくかが合否を分けます。
対策は主に2つ。タイトルにあるように想定問答集を作成すること。そしてもう一つはアウトプットに慣れることです。アウトプットの練習は想定問答集を作ってから行っていきます。よって想定問答集の作成は大変重要な作業です。
アウトプット練習には狙いが2つあります。一つは面接形式の試験に慣れること。そしてもう一つは想定問答集を暗記することです。しかし実際の口頭試験でどのような質問をされるか?正しく想定できていないと、全く以て意味のない練習になります。想定問答は過去の質問内容を参考にすることで、ある程度対策できますが、少しでも合格率を挙げるためには、自分に合わせた想定問答を用意しておきたいです。
私の場合、ノート2.5冊分の想定問答集を作成しました。実際にそこからの質問も多くありましたし、回答に困ることは一切ありませんでした。実際の口頭試験がどのような形で進んでいたかは過去記事を参考にしてください。
想定問答集の作り方
準備
想定問答集は基本的には一問一答の形で作ります。私の場合は、ノートに対しセクションを設け、後で見やすくするよう工夫しました。最終的には2冊のノートが出来上がりました。手書きで作ると整理が難しいので、ワードやエクセルなどを活用しても良いかもしれません。
ここでいうセクションとは、口頭試験での流れに沿って分けた幾つかの質問の括りのことです。これをイメージするにはまず口頭試験の流れを見てみると良いです。
では口頭試験の流れをおさらいしてみます。
1.業務経歴及び業務内容の詳細のプレゼン
2.各コンピテンシーに関する質問
3.技術士になった後の抱負
つまりセクションを設けるなら
①業務経歴及び業務内容の詳細
②コンピテンシー マネジメント
③コンピテンシー 評価
④コンピテンシー コミュニケーション
⑤コンピテンシー リーダーシップ
⑥コンピテンシー 技術者倫理
⑦コンピテンシー 継続研鑽
⑧今後の抱負
となります。
質問作成
準備で作成したセクションを順番に作る事をお勧めしますが、慣れないうちはどんどん進めた方が良いので、イメージしやすいところから始めても問題ありません。
なぜ順番に作る方が良いのか?ですが、業務経歴及び業務内容の詳細は合否を分けるポイントと言っても過言ではないからです。場合によっては時間がかかるため、なるべく初めのうちに対策しておきたいところです。それでは詳しく解説します。
業務経歴及び業務内容の詳細
業務経歴や業務内容の詳細は、一方的に話して終わりの場合もあれば、関連する質問が来る場合もあるようです。調査してみたところ、
・経歴が技術士の要件を満たしていない
・部門、選択科目が違う
・コンピテンシーが確認できない
など、どちらかと言うとそのままでは合格させられないような人に対して質問されるようです。私が思うに、場合によっては不合格になる可能性の高い質問が多いです。例えば以下の様な質問です。
・あなたが技術士にふさわしいと思う点を教えてください
・***について説明してください(***は部門又は選択科目のキーワードが入る)
ここで挽回できないようですと、不合格となります。そもそもこのような質問が来ないように、申込書をしっかりと仕上げておくことが重要であることが分かります。しかし今更どうしようもありません。まずは、業務経歴と業務内容を見直すことから始めます。一人で考えるよりも技術士や有料講座により客観的に助言をもらう方が良いでしょう。
次に、自分の経歴や業務内容の詳細に見つかった不備を突かれた際の質問を考えます。例えば、申込書の記述が技術士の定義に合っていないと思うなら、「技術士にふさわしい点はどこか?」という質問が想定できます。評価が不十分だと思うなら、「この業務によってどのような成果が得られましたか?」という質問が想定できます。回答は人それぞれですが、なるべく定義やコンピテンシーに沿った回答が出来ると良いですね。客観的な助言を反映できると尚良しです。
コンピテンシー
コンピテンシーに関する質問は、昨年の実例からある程度テンプレート化されている質問があります。それは
「###について具体例を教えてください」 ※###は評価、マネジメント、リーダーシップ、コミュニケーションのいずれかが入る。
という質問です。つまり「あなたが技術士にふさわしいかどうか判断するために、各コンピテンシーが備わっているか確認させてください」と質問されているのです。
質問のニュアンスは多岐にわたりますが、回答は自分がどのようにコンピテンシーを発揮してきたか?をまずは棚卸して、回答を作成していきます。その為にも、今一度コンピテンシーの定義を確認しておきましょう。
今後の抱負
大体定型文として決まっています。ずばり以下の質問です。
「あなたが技術士になった際の抱負を教えてください」
ここでの回答は、前向きで今の自分に足りないものを補おうとしているかどうか?が確認されると考えます。そもそも採点項目にないので、余程おかしなことを言わなければ問題ないと思いますが。最低限何も答えられないということが無いよう回答を準備しておきましょう。
・自己研鑽
・後進の育成
などを絡めると継続研鑽に加点がつくかもしれませんね。
回答作成時のポイント
回答はなるべく短く作る、が鉄則です。以前お伝えしたように、口頭試験は時間が限られているため、1問でも多くの回答をしたいところです。筆記試験同様冗長文にならないよう気を付けましょう。極端な話、単語をつなげたようなメモを残しておく方が良いかもしれません。
いずれにしても、回答は一度作ったら終わりではなく、何度も推敲して満足のいくものを作りたいですね。
あと特に私が重要だと思うポイントは、覚えやすい文章構成であることです。各コンピテンシーの具体例を回答するときは、
「~の業務で~をしました。結果~することができました」
といった具合で、~の部分を変えるだけで統一しておきます。使う単語も、なるべくシンプルに。同じ意味でも複数使い分けないようにしたいところです。
最後に
昨年の口頭試験実例から想定問答集を作成しました。私が受験した際の実例以外にも独自調査により多数の質問を集めることが出来ました。諸事情によりブログで公開することが出来ない為、気になる方は問い合わせより個別でご相談ください。
口頭試験については私の記事を参考にしていただいても構いませんが、様々な対策本が出ています。予算的に問題なければいくつか読んでみることをお勧めします。