今回は、技術士二次試験次試験において重要な海外業務実績について記事にします。
技術士二次試験と海外業務実績の関係って?
技術士のコンピテンシーのうち、コミュニケーションという項目があります。
コミュニケーション
- 業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
- 海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
技術士二次試験はコンピテンシーについて評価されることが明確にされています。上記のコミュニケーションの定義をしっかりと理解することが重要です。
詳細は別記事を確認していただくとして、コミュニケーションは単に普段の業務つまり国内での活動に限定されず、世界どこに行っても通用するものと私は解釈しています。
例えばあなたが国内企業に勤めていたとして、周りには日本人もしくは日本語が話せる外国人ばかりです。外国人の方と話す場合、コミュニケーションは全て日本語です。外国人の方々は日本居住のうちは日本の文化、ルールに順応されるでしょう。日本人として人に接するということです。
しかし、日本から出たらどうでしょうか。それは全く異なります。中国には中国の、米国には米国、ドイツにはドイツの文化、ルールがあります。
上記を理解した上で、技術士として業務が遂行出来るかどうかを二次試験で評価されます。
文化、ルールを理解することの重要性
あなたが仮にマネージャーとして現地の設計メンバーを束ねる立場だったとして、設計メンバーば部下となりますから、指示には従って欲しいところです。しかし、メンバーは日本人特有つまりイレギュラーな意見の押し付けに不満が高まります。このギャップが両者の間に溝を生み、設計の品質にも影響を与えます。
繰り返しになりますが、技術士はグローバルに活躍することが求められています。どこの国にいっても現地の文化、ルールを尊重し、仕事が出来なければならないのです。
どのようにアピールするの?
二次試験ではコンピテンシーのコミュニケーションが評価されます。特に口頭試験においては直接的な質問がくる可能性が高いです。具体的には
・海外での業務経験はありますか
・実際に行ったコミュニケーション手段を教えてください
・設計を指導する立場として気を付けていることを教えてください
などです。ここで嘘をついても仕方ないですから、ない場合は正直に。ある場合は、自分のこれまでの経験を棚卸して、上記質問から派生しそうな質問を想定しておきましょう。
私の海外業務実績
私の場合は、過去に何回か海外出張経験があります。2、3ヶ月に及ぶことも少なくありませんでした。業務内容としては、設計指導やSV、顧客との打ち合わせになりますが、どれもコミュニケーションは必須です。
いつでも意思疎通が図れていることを重要視していました。仮に中国人と英語で話をしたとして、お互い母国語を使わないことで微妙なニュアンスのズレが生じ易いです。結果、YESをNOと捉えるなど、全く異なる結果になる可能性もあります。対策としては、文章による指示も並行して行うことと(チェックシートも含む)、すぐに成果を確認することです。例えば作図を依頼するとして、指示内容を文章でまとめて渡したり、同じような図面を100枚描く前に、1枚目で認識に齟齬がないか確認するのです。あとは、より外国語が達者な通訳を通すこともお勧めですが、極力自分自身のコミュニケーション能力で乗り切りたいです。成長につながりますしね。
コミュニケーションは外国語が苦手な方でも問題ありません。全くできないのは論外ですが、ネイティブレベルである必要は無いと思っておけばよく、どちらかと言うとどのようにコミュニケーションを取るか?が重要です。ここに技術士としての資質を評価するポイントがあります。
海外で経験を積めない場合はどうしたらいい?
最低でも日本で働いている外国人の方々とのコミュニケーションをどのように取っているか?を棚卸しましょう。それもないよ、と言う方は他のコミュニケーション能力でアピールします。
実はコミュニケーションのコンピテンシーは2項目あって、そのうちの一つが満足していることを全力でアピールします。
業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントや ユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
これに関する質問も当然来ます。ストレートに「意思疎通の手段を教えてください」と言った具合です。今後想定問答集を作成する予定なので、そちらにて回答例を確認してください。
最後に
個人的にはコミュニケーションが1番対策し難いコンピテンシーだと思っています。具体的な手法が無いですし、回答は皆同じような形になりがちです。無難に60点を取りに行く戦法で構わないと考えていますが、想定問答を作り対策は入念に行っておきましょう。間違っても事実とは異なる内容でアピールしないようお願いします。技術者倫理に反する行為です。取り返しがつかない状況に陥るかもしれませんので十分注意してください。
まだ技術士二次試験まで経験年数が足りない方は、今のうちにそのような経験が出来るよう自分で仕事をコントロールしたいですね。私は自分で海外出張が出来るよう働きかけていた方です。海外業務実績のように、勉強しただけでは得点が稼げない項目がいくつかあります。長い目で見て準備していきたいですね。