今回は技術士二次試験の口頭試験対策ということで、基本編から発展させて経歴と業務内容の詳細について記事にします。
経歴と業務内容の詳細はどう評価される?
口頭試験の序盤は経歴と業務内容の詳細に関するプレゼンと質問になります。ここであまり躓かないようにしたいところです。なぜなら、試験時間は決まっているため。そしてコンピテンシーに関する質問時間が短くなり、加点が難しくなるためです。不合格の確率が高くなります。厳密にはわかりませんが、プレゼン後質問が特にない、もしくはプレゼンはなくいきなりコンピテンシーに関する質問に入った場合は合格の確率もかなり高いのではないでしょうか?
上記のように、実際経歴と業務内容の詳細は、口頭試験の本筋とはあまり関係ないのでは?と感じています。どちらかというと、マイナス要素を挽回する機会と考えます。もしかしたらここでコンピテンシーの加点があるかもしれませんが。そういう意味ではピンチでもありチャンスでもりあます。もし申込書提出時点では作りこみが不十分(技術士としてふさわしくない点がある)であり、質問攻めにあうことが想定される場合は、いかにコンピテンシーが備わっているかをアピールしたいところです。自分ではどこに不備があるかわからない、という場合は申込書を客観的に見てもらうことが一番ですね。相手は技術士かそれに準ずる方にしてください。
コンピテンシーのうち、コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメントについては経歴、業務内容の詳細の両方でアピールできます。経歴では、どのような立場でどのようなコンピテンシーを発揮したか?が説明できるようにします。
・〇〇の業務において、リーダーの立場(リーダーシップ)で△△を行った。〇〇という成果を出し、▢▢に転用した(評価)。
・〇〇の業務において、リーダーの立場(リーダーシップ)で計画を立案し、リソースの調整をした(マネジメント)。
などですね。
留意点としては、あまり長々と説明しないこと。相手が聞く準備が出来ていないと、折角の加点ポイントを聞き逃してしまうという事故も起こり得ます。基本的には、コンピテンシーに関する質疑応答によって加点が発生すると考えてください。
プレゼン時の留意点
指定時間を守ること
プレゼンの前に「△分で説明をしてください」と時間の指定がある場合が殆どのようです。この時間にも何らかの意図が隠されているはずです(例えば5分と長い場合は、補足説明を求められているなど)。よって5分と言われて2分で説明を終えることが良いとも言えません。試験官の要求にしっかりと応えられるよう、複数パターンか用意したいところです。この場合、プレゼン内容を覚えるのが大変というデメリットがあります。私の場合はまず5分のプレゼンを用意し覚え、そこから複数パターンを作成するという対策をしました。もっとも長いプレゼンを覚えておけば、変化球にも対応しやすくなります。
事実を述べること
コンピテンシーを意識するあまり、誇張気味に話してしまうことがあるかもしれません。これは客観的に見ると相手に不信感を与え、さらに厳しい質問をされる可能性もあります。もしそれらに回答出来ない場合は、不合格になるかもしれません。それ以前に、技術士倫理綱領にあるとおり「信用の保持」つまり欺瞞的な行為をしないこと、という点に反しますね。
ホワイトボードの使用に慣れる
技術的な内容を口頭で説明するには限界があります。特に機械部門はホワイトボードの使用を要求されるケースが多いみたいです。難しい成果を経歴や業務内容の詳細に盛り込むのも考え物です。一番は文章で伝わるよう記載することが望ましいですが、難しい場合は諦めて想定される質問内容に応じた図の作成に慣れておくことです。
ホワイトボード対策は、以下の点に留意してください。
・正確に模写する必要はない・・・普段の業務で設計図を描く機会がある方は、いつもの癖で細部に拘り過ぎないよう気を付けたいです。
・鳥瞰図(アイソメ図)に拘らない・・・無駄に時間がかかるのでやめましょう。
・予め手順、内容を準備する・・・どこから書き始めるか?どの部分を書くか?などルーティーンを身につけましょう。
・練習時から時間を意識する・・・私は1分以内で描けるよう練習しました。
・ホワイトボードで練習する・・・職場の大きなホワイトボードを借りて練習することをお勧めします。
・描きながら説明する・・・描いてから説明すると時間が足りないはずです。描きながら説明できるよう練習しましょう。その場合、自分の体で図を隠さないよう立ち位置に気を付けたいです。
最後に
経歴と業務内容の詳細に関する質問は、何らかの意図が隠されています。それは複雑な話ではなく、客観的に見て専門性が理解できない、技術士としてふさわしい点がわからないなど単純な話です。裏を返せば、ある程度事前に対策を練ることも出来るということです。
口頭試験の有料講座では、模擬試験以外にも申込書の添削を行っていただける場合がありますので活用してみましょう。