30代技術士の成長記録

令和元年度技術士二次試験に合格した30代技術士(機械部門)の成長記録です

技術士二次試験 初めて受験される方へ

 技術士二次試験といえば、筆記試験が注目されています。10~20%ほどと合格率が低いためです。二次試験は筆記試験が山場と言えるでしょう。

 しかし、口頭試験までクリアしてやっと技術士になれるのです。よって筆記試験前から口頭試験を見据えた勉強や仕事の進め方を意識していただきたいです。多くの人は、なかなかこれが実践できず、口頭試験の勉強を始めてやっとこの意味が理解できるのです。二次試験のセミナーではあまり教えてもらえませんし、参考書にはそこまで書いてないことが多いです(少なくとも私が読んだ参考書はそうでした)。よって技術士二次試験の勉強を始めた方向けに、今から準備したい5点をお伝えします。是非最後までお付き合いください。

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①口頭試験までに技術士にふさわしい経験を蓄積しよう

  口頭試験は知識や応用力を問われるような質問は得点を左右することはありません。しっかりと明文化されています。しかし、申込書の内容や筆記試験の結果から貴方の専門能力に疑問符が付く場合は、ここに貴重な試験時間が割かれることになります。すぐにその疑いが晴れるよう、仕事での経験を元に技術士らしさをアピールしなければなりません。

 技術士らしさとは、定義されている以下のコンピテンシーに詳しく書かれています。

・専門的学識

・問題解決

・マネジメント

・評価

・コミュニケーション

・リーダーシップ

・技術者倫理

・継続研鑽

 

 以上のコンピテンシーを元に今から口頭試験に向けて仕事をしていきましょう。何度も話している通り、技術士とはすでに技術士にふさわしいものに与えられる資格であると認識しましょう。

 技術士を目指している段階で、貴方がそのような立場を経験できる環境にあるとは思いますが、私の周りを見てみると本当にその人次第だと感じる部分があります。技術士になるような人は、人の上に立ちリーダーシップを発揮できるわけです。しかし技術者は皆その様な人ばかりではありません。苦手な人は意外と多いんですよ。仕事でも積極性が重要ということです。

 

chuckmechanicalpe.com

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②技術を応用する癖をつけよう

 口頭試験で経験に基づいた回答をする際は、なるべくキーワードが盛り込めるとよいですね。筆記試験対策で学んだキーワードは仕事でも積極的に使用したいところです。使用するというのはキーワードを使って問題を解決する、つまり技術を応用するということです。その結果、筆記試験の勉強にもなりますし一石二鳥です。

 

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③技術の専門家ではなく、コンサルタントであると理解しよう

 技術士を他の資格と同じく「優れた知識や技能を持つものを評価される資格」と認識される方が多いです。何故その資格が与えられるのか?本質的なところが理解できていないためです。これは試験勉強の進め方にも大きく影響を与えます。知識を有しているだけでよいなら暗記だけで足ります。過去問をひたすら解けばよいでしょう。しかし、技術士はその実績や自身の技術士としての資質を多方面から審査されます。それが口頭試験です。実績と資質はコンサルタントとして十分かどうかという基準で審査されます。まずは技術士がコンサルタント資格であることを理解しましょう。

 技術コンサルタントは科学技術に関する提案や助言、指導などを顧客に対して行う専門家のことです。知識や経験、実績をもとに相手の抱えている問題や課題を解決する手助けをするわけですから、コミュニケーション能力が必要です。このコミュニケーション能力を口頭試験では実績をベースに確認されます。質問の内容としては「今までの業務の中でどのようにコミュニケーションをとってきましたか」などですね。

 実績は通常自分で評価しなければならないですが、技術士として十分かどうかは経歴書の添削をしてもらうことで把握できます。もし不十分であると感じるならば、最低でも口頭試験までにはその点を意識して仕事をしていただきたいです

 

④コミュニケーションは多方面で必要な資質と理解しよう

 ③で説明したように、顧客に対してのコミュニケーションだけでなく、当然社内の他部署やチーム内でのコミュニケーションの取り方も重要です。例えば、リソースを確保するという点に関しても、まず人に教えるなどのコミュニケーションは必須です。特に相手の立場(この場合元々有しているスキルや言語など)に応じて対応を変えなければなりません。今まで何となくコミュニケーションを意識してきたという人は、技術士試験でどこまで求められているのか?を把握しましょう。そのためにも口頭試験でどのような質問を受けるかを早めに知りたいところです。

  質問内容の一部は私の合格体験記に記載があります。それ以外はブログでは公開しておりません。問い合わせよりご連絡いただけましたら、条件付きではありますがご提供いたします。

⑤技術者倫理を意識しよう

 技術者倫理の定義は技術者倫理綱領を見ていただくとして、その内容を理解するだけでは試験対策として不十分です。その考えに基づいた行動や判断を行うようにしなければなりません。

 例えば継続研鑽に関しては自分の専門性を高めるだけでなく、自身が教育する側つまり発信の場が必要です。社内でも構わないので、後進育成の場を経験しましょう。

 ご自身の専門性の向上は、先端知識を得るために企業展やセミナーに参加しましょう。どのようなものに参加したか口頭試験で聞かれることがありますので、名称や主催団体をきちんと把握しておきましょう。

 また向上心のアピールのためにも機械学会や技術士会などに入会しましょう。直接入会しているかどうか質問されることもあるようです。

 

最後に

  技術士二次試験は非常に長い勉強期間に加え、1回の受験での合格が難しいとされています。最初に上記のことが理解できているかで、合格率が大分変ってくるのではないかと思います。すでに不合格を経験されている方も、一度過去の受験を振り返って反省すべき点がないかご確認いただければと思います。