30代技術士の成長記録

令和元年度技術士二次試験に合格した30代技術士(機械部門)の成長記録です

論文作成手順 ~問題文が攻略の鍵~

 筆記試験対策は順調でしょうか。そろそろインプットの段階を終えて、アウトプットの勉強を始めたいですね。合格する解答が書けて初めて意味があるので、まずは合格に値する論文になるよう推敲しましょう。しかし、漠然と答えを書いているだけでは、時間内に書き切れない、といったこともあり得ます。単純に字を書く速さを鍛えることも重要ですが、それとは別で問題文から構想(骨子)を練るまでの時間を早めなければなりません。つまり本番の段取りを意識して練習することが重要です。そこで今回は、実際に試験本番でどのように論文を書けばいいのか?最初から順に解説していきます。

 

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  • 1.問題文からキーワードを抽出
  • 2.キーワードに関する情報を整理
  • 3.問題文の背景にあるキーワードを抽出
  • 4.設問にキーワードを振り分ける
  • 5.論文の骨子を作成
  • 6.序論の記述
  • 7.本論の記述

 

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【技術士】現状に不満を抱く技術者へ 今すぐ実践すべき4つのステップを伝えます

 皆さん、今の仕事や置かれている環境に満足していますか。多くの人は中々不満を解消することは難しいと考えているように思います。先日も後輩に相談を持ちかけられたばかりです。そこで、今回は私の経験をもとに、その不満を解消するために実践すべき4つのステップをお伝えしたいと思います。

 



  • STEP1 客観的に評価する
  • STEP2 スキルアップを目指す
  • STEP3 アピールする
  • STEP4 チャンスをモノにする
  • 注意:すぐに見返りを求めない

 

STEP1 客観的に評価する

 皆さんは自分のことを客観的に評価できていますか?自分は優れている、ここが得意だと思っていても、実は周りとそこまで変わらないなんてことはあります。まずは客観的に評価をしましょう。周りとの差はどれくらいか?足りないものはあるのか?分析すると良いです。この時、自分の強みについても抽出しておきましょう。

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技術士の英語学習記録① 〜技術士二次試験口頭試験準備〜

 以前の記事で技術士に英語力は必要であるとお伝えしました。

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 私自身英語学習を継続しておりますが、学校で勉強してきた英語と社会人になって求められる英語は異なるようで、ここをしっかり押さえて学習していく必要があると考えます。よって、今回から継続的に技術士の英語学習記録と題しまして、どのような勉強方法がよいのか?実際にどのような勉強をしたのか?記録の意味も込めて記事にします。どこまで参考になるかわかりませんが、興味のある方はお付き合いください。

 

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技術士に必要な英語とは??

 技術士のコンピテンシーのコミュニケーションについては以下の記述があります。

 ・業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー等多様 な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。

・海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的 文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

 

 つまり、コミュニケーションの手段として英語を身につける事自体は間違っていません。しかし、具体的に英語で何ができればいいのかが良くわかりませんね。それは、自分の専門分野において各自考えなさいと言う事でしょう。

 コンサルタント業務を行うためにも、自部門の技術は英語で説明できなければならないと考えます。私は機械部門の技術士ですので、工業英語を身につけていけば良いはずです。海外出張は何度か経験がありますが、作業員に機械の調整方法を教えるのに英語が必要でした。普段使わない表現が多いため、慣れないと苦労します。ではどの様に身に着けていけばよいでしょうか。調べてみたところ、日本工業英語協会というものが存在します。ここは、技術英語検定や講習会、研究会の運営をしているようです。ここでは詳細に触れませんが、検定や講習会などわかりやすい目標、勉強手段があれば継続できるのかな、と思います。

実践で役立つ参考書

 欧州出張の際、辞書を持ち歩くよりはましかと思い、以下の本を購入しました。製造業で使う英単語が纏められており、役立ちそうな表現は中々多いです。

 

 

 

技術士二次試験 機械部門機械設計 キーワードまとめ②

 私が令和元年度技術士二次試験を受験した際にまとめたキーワードを公開していきます。※私の業務に関係の深いキーワードは、汎用性が低いと判断し除外しています。

No.1~100は以下のリンクから

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101.CAM

102.レイデント処理

103.ULPA/HEPAフィルタ

104.スマートグリッド

105.KJ法

106.ISO14001

107.リスクマネジメント

108.CAE

109.バイオプラスチック

110.マイクロプラスチック

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技術士二次試験 機械部門機械設計 キーワードまとめ①

 今回は、令和元年度技術士二次試験を受験した際に纏めたキーワードを公開していきます。

キーワードまとめ②もあわせてどうぞ。

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1.コンカレントエンジニアリング

2.フロントローディング

3.プロダクトデータマネジメント

4.サプライチェーンマネジメント

5.プロダクトライフサイクルマネジメント

6.デジタルエンジニアリング

7.CAD

8.CAE

9.ナレッジマネジメント

10.FMEA

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技術士の資質(コンピテンシー)向上 4力で抑えるべきポイントその②

  前回に引き続き、4力についてまず抑えるべきポイントを具体的に説明していきます流体力学熱力学についてです。

材料力学機械力学は以下のリンクから↓

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  • 3.流体力学
    • パスカルの原理
    • ベルヌーイの定理
    • 連続の式
    • 圧力損失
    • 流体の種類
    • 油空圧機器の全体像を知る
  • 4.熱力学
    • 熱力学の法則
    • 熱伝達と熱伝導
    • 熱膨張は熱力学ではない
  •  最後に

 

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技術士の資質(コンピテンシー)向上 4力で抑えるべきポイントその①

 以前『機械設計力向上の為に』と題して、4力を理解し土台を作る事が重要とお伝えしました。しかし、4力といっても範囲が広く、具体的にどこから覚えるべきか悩むと思われます。そこで今回から2回に分けて、4力についてまず抑えるべきポイントを具体的に説明していきます

※私が産業機械の設計をしている関係で、記述が参考にならない場合もあるかと思います。なるべく根っこの部分で話を進めるようにしますが、ご容赦願います。

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 機械設計の専門知識においてまず重要なポイントは、壊れない機械を作ることです。どれだけ理想的な動きを実現していても、負荷に耐えられない機械は仕様を満たしておりません。また壊れる機械はそれだけ危険であるということです。部品の落下により人が下敷きになる可能性もあります。さらに、機械は人手で出来ない技術や、手間がかかる作業を人の代わりに行うための物で、エネルギーの大きさは人間が普段接するそれとは全く異なります。機械に詳しくない方ほど、認識が甘く危険な目に遭います。つまりリスク回避を意識した設計を行うために必要な知識をまずは身に着けますでは、具体的にどのような知識が必要か以下に挙げていきます。

 

  • 1.材料力学
  • 2.機械力学
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3Dプリンタの可能性について技術士目線で考える

 最近は3Dプリンタも企業向けだけでなく、個人向けのラインナップも多数揃ってきました。私も過去に購入し、今も趣味に活用しております。

 

 そこで、3Dプリンタを活用して今後どのように生活が変わるのか、3Dプリンタの可能性について記事にしたいと思います。技術士の目線で記事にしますので、二次試験のキーワード学習に役立つと思います。是非ご一読ください。

 

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  • 1.3Dプリンタとは?
  • 2.アウトプット方式の種類と解説
    • 光造形方式(SLA方式)
    • 粉末焼結積層方式(SLS方式)
    • インクジェット方式
    • 熱溶解積層方式(FDM方式)
  • 3.3Dプリンタのメリット
  • 4.3Dプリンタのデメリット
  • 5.3Dプリンタの可能性と上手な付き合い方
  • 6.3Dプリンタ紹介

 

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機械設計技術者として必要な創造力を鍛える からくり実例集など

 今回は機械設計技術者として必要な創造力の鍛え方について記事にします。

 

  • 1.機械設計技術者に求められる素養
  • 2.創造力は経験に頼らない!
  • 3.からくりに関する参考書籍
    • 3-1.必携「からくり設計」メカニズム集定石集 ゼロから始める簡易自動化
    • 3-2.実用メカニズム辞典 機械設計の発想力を鍛える 機構101選
    • 3-3.めっちゃメカメカ!リンク機構99→∞ 機構アイデア発想のネタ帳
    • 3-4.設計者のためのカム機構図例集

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技術士に英語力は必要か? 技術士二次試験 口頭試験対策

 今回は技術士に英語力は必要か?について記事にします。

 昨年度から技術士二次試験の試験制度が改正され、コンピテンシーに基づいて評価されるようになりました。その中のコミュニケーションに以下の記述がありました。

 

海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的 文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。

 

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筆記試験対策 マトリクス表の作成

  以前技術士二次試験の筆記試験対策でマトリクス表の話をしましたが、今回は実際に私が作ったマトリクス表を公開しますので、参考にしていただければと思います。(機械部門・機械設計のキーワードで作成しています)

 パソコンにExcelが入っているようであれば、下図のように簡単に作成できます。ポイントは以下の3点です。

 

  • ①問題・課題と解決策を正しく紐付ける
  • ②紐付けは関係が深いものに限定する
  • ③フィードバックする
  •  最後に

 

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機械設計力の向上の為に 新入社員編

 この春社会人になった方、仕事には慣れたでしょうか。人によっては、大学で身につけた知識が活かせず、苦労することもあるでしょう。そういう私も社会人になってから機械設計の知識を身につけました。当然、会社から求められるスキルにギャップがありますので最初は苦労しましたが、今は技術士の資格を取るに至りましたので、同じような境遇の方の参考になればと思い、機械設計初心者がどうすればスキルを向上させられるか。について記事にします。最終的なゴールとして技術士を目指していただければ幸いです。

 

  • 1.4力は最初に身に着けるべき知識
  • 2.勉強方法
  • 3.機械設計技術者試験受験のメリット
  • 4.まとめ

 

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技術士二次試験対策 コンピテンシーをアピールする④

 前回の記事では、技術士のコンピテンシーのうち、⑤コミュニケーション⑥リーダーシップ について、技術士二次試験においてどのように発揮すべきか?について記事にしました。

 

専門的学識、問題解決についてはこちら↓ 

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マネジメント、評価についてはこちら↓

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コミュニケーション、リーダーシップに関してはこちら↓

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 今回は⑦技術者倫理、⑧継続研鑽 について筆記試験でどのようにアピールしていくか?について考えます。コンピテンシーに関する詳細説明は以下のリンクから↓

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)

 

⑦技術者倫理

 技術者倫理が評価されるのは必須Iのみです。この項目では倫理的に行動できているかどうか、ですが詳細は技術者倫理綱領や技術士法を読み込むと良いです。と言っても、なかなか論文にどう落とし込めばいいか…悩みどころですね。技術者倫理においては公益の確保が一番重要です。私の業界では、3R(環境保全)やユニバーサルデザインを意識したり、機械安全のためにリスクアセスメント、信頼性設計を行います。RoHS指令など具体的な法令を論文に記載することで点数が稼げると思います。また、持続可能性の為には、技術者として暗黙知を型式知化するナレッジマネジメントも必要です。重要なのは他のコンピテンシーと同じく、技術者倫理に関する具体的なキーワードを入れることです。冗長文にしなくても倫理的に考えていることが伝わります。以前マトリックス表の話をしましたが、技術者倫理に該当するキーワードを一覧で整理し覚えておくと、自然とアウトプットできる様になるでしょう。

 

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⑧継続研鑽

 他の項目と違い、口頭試験のみで確認されます。論文に視点を移すと、論文自体に盛り込むのではなく、論文の再現をする行為が継続研鑽にあたります。再現をすることで、誤記や説明不足に気付いたりするものです。そこを口頭試験において補足できるかどうかが重要です。実際に過去筆記試験の論文について質問を受けた方がいるそうです。もちろん私も再現しました。

 口頭試験向けについては、他のコンピテンシーも併せて別の記事に記載します。

 

 

 

 

技術士二次試験対策 コンピテンシーをアピールする③

 前回の記事では、技術士のコンピテンシーのうち、③マネジメント④評価 について、技術士二次試験においてどのように発揮すべきか?について記事にしました。

専門的学識、問題解決についてはこちら↓

 

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マネジメント、評価についてはこちら↓

 

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 今回は⑤コミュニケーション⑥リーダーシップについて筆記試験でどのようにアピールしていくか?について考えます。コンピテンシーに関する詳細説明は以下のリンクから↓

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)

 

⑤コミュニケーション

 コミュニケーションは必須Ⅰ、選択Ⅱ、Ⅲすべてにおいて評価対象です。定義としては、業務上関わる人の間で、明確かつ効果的な意思疎通を行うこと、になります。二次筆記試験においては、文章を用いて試験官に自身の技術をアピールします。つまり、試験官との間で明確な意思疎通を行えているかどうか?を意識します。例えば、論文に見出しを設けたり、問題と解答の章番号を揃えるなど、見栄えを意識することも重要と考えます。実態はわかりませんが、多くの論文を読むことになる試験官からしたら、読み難い論文はコンピテンシーが備わっていないとして減点される可能性があります。また、賛否分かれると思いますが、図表の挿入は、論文の内容をわかりやすくする必須テクニックと考えています

 コミュニケーションに関しては、他にも多様性を理解し協調すると記載があります。例えば、海外の現地作業員、設計者との協業・教育に関するリスク、解決策などに盛り込むとします。意思の疎通を失敗することで安全が損なわれる(リスク)→手順書を作成し、ISO12100リスクアセスメント、FMEAの実施、最終的にチェックリストで確認(解決策)→口頭つまり英語では解釈のズレが生まれやすいため、文書による意思の疎通を心がける(留意点)などです。

 

⑥リーダーシップ

 リーダーシップは選択Ⅱで評価対象です。多様な関係者の利害調整及び取りまとめになります。つまり、プロジェクトリーダーらしさを発揮できているかどうかが評価されます。例えば、新製品開発においては自部署の設計部門のみで進めた場合、後で余計な手戻りが発生する

というリスクが存在します。ここは、部門横断型設計審査(以下DR)にて余計な争い事を未然防止します。フロントローディング的な考えです。QCDの観点から、営業、資材部、品質保証部などを招集します。このDRは、大抵の場合設計部門が主体で行います。つまり、DRを開催すること自体がリーダーシップのアピールになります。また、利害関係(トレードオフ)の解決には、品質機能展開表をDRに持ち込むことが有効です。品質機能展開表の要求品質展開表と品質機能展開表から算出した評価点から、要求項目を客観的に評価できるというメリットを生かし、中庸的な解決方策を提案します

 

 次は最後の技術者倫理と継続研鑽について記事にします。

 

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技術士二次試験対策 コンピテンシーをアピールする②

 前回の記事では、技術士のコンピテンシーのうち、①専門的学識②問題解決 について、技術士二次試験においてどのように発揮すべきか?について記事にしました。
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 今回は③マネジメント④評価について記事にします。コンピテンシーに関する詳細説明は以下のリンクから↓

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)

③マネジメント

 要求事項を満たすために、リソースを適切に配分する能力と定められていますね。これ、実際の実務においても大事な能力ですね。普段から実践されている人にとっては自然とアピールできるかと思います。

 ここで大事なのは、要求事項を整理する力とリソース配分を行う力、この2点を然るべき技術(仕組み)を用いて表現することです。

 例えば、要求事項の整理は品質管理上重要な項目です。これに対し、品質機能展開(以下QFD)を用いて整理します。特に要求事項の整理に関しては、QFDの中でも要求品質展開表を作成することで達成できます。しかしその妥当性を確保する為に、KJ法によって多面的に抽出整理、DRを開催などを付け加えると良いです。

 

④評価

 業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の 業務の改善に資すること。とされています。つまり、今得られた結果を次どう活かすかちゃんと考えていますよ、ということをアピールします

 例えば、高齢化社会の抱える問題に、老老介護があります。そこで高齢者用の介護ロボットを提案したとして、それを応用し機械の組立現場で運用する、などです。ポイントは現場作業も高齢化社会のあおりを受けているよ、という点を説明することです。つまり、共通した問題である為、展開できる技術であることをアピールします。評価に関しては直接的に問われることはありません。選択Ⅲの問題を見ていただければわかります。短文でもいいのできっちり盛り込んで点数を稼いでいきましょう。

 

 

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