今回は筆記試験の勉強方法について記載します。
まず筆記試験に要求される能力は、主に以下になります。
①論文構成力
②応用力
まずは①論文構成力についてです。基本的な御作法は市販の参考書レベルで問題ありません。私は筆記試験の通信講座を受けましたが、大して目新しい情報はありませんでした。大学で論文を書いてきた方なら、斜め読みで大丈夫です。
しかし、技術士試験独特の論文構成だけは独学で身につけるのは困難です。まず、合格しやすい構成があることを理解すべきです。例えば、各科目には小問があり、これらに配する文字数はなるべく均等にしなければなりません。ある小問に対して文字数が多い→知識に偏りがある→技術士として充分な知識を有していない、となりこれは得点が稼げません。また、文字だけでなく図表を盛り込むことも忘れてはいけません。文字だけの情報は読み難いだけでなく、キーワード不足になりがちです。図表を入れる際、文字数に制限がないため、1マスに2文字をいれるなどが許されます。結果キーワード数を増やすことができ、得点が稼げます。
他にも多々テクニックがありますが、これらはすべて添削指導や市販の参考論文から分析して得られたものです。論文の書き方といえど、対策に時間とお金をかけなければならないということがわかります。
次に②応用力についてです。筆記試験で言えば、問いに対していかに素早くキーワードを組み合わせて回答できるかです。当然資料の持ち込みができないため、暗記しておかなければなりません。俗に専門分野のキーワードを300覚えれば合格のような話を耳にしますが、実際は覚えるだけ、つまりインプットまででは合格できません。また意味を答えるようなアウトプットでは選択II-1くらいでしか役に立ちません。インプットしたキーワードを組み合わせたり、対比させるなどして創造性のある回答、技術士らしい回答をしなければなりません。私が行った対策としては、キーワードと課題のマトリックス表を作成して覚えました。例えば、製品開発期間短縮に対するキーワードはQFD、AM、CAEなどです。
技術士試験は、全分野の問題を1人の人間が毎年作るわけではありませんし、採点も同様です。したがって、出題・採点傾向は受験年度によって変わる可能性があることを念頭に、色々な方の意見をまとめ、自分なりの対策を確立していただければと思います。