30代技術士の成長記録

令和元年度技術士二次試験に合格した30代技術士(機械部門)の成長記録です

筆記試験骨子の作り方

 

f:id:mechanicalpe:20200529213240j:plain

 今回は技術士二次試験の筆記試験で重要な論文の骨子の作成方法について解説していきたいと思います。

 

 

 

 

1.論文の骨子とは?作成する目的は?

 論文の内容を簡略的に表現したものです。骨子を作成する目的としては、以下の3つが挙げられます。

・筋の通った論文にする

・全体像を意識した論文作成

・必要なキーワードを盛り込む

 

f:id:mechanicalpe:20200620160513j:plain

筋の通った論文の作成

 長文あるあるですが、いきなり論文を書き始めた内容と結論が結びつかない、矛盾が生じるなどの問題が発生します。最悪1枚分書き直しといった状況にも陥ります。骨子を作成することで筋の通った論文が作成できます。筋の通った論文とは、問題文の背景とリンクしている、設問に答えられている論文です。

 

全体像を意識した論文作成

 初めて論文を書く方が失敗するケースは、書き始めたはいいが結局途中で筆が止まって時間切れになるというところです。今自分が論文のどの辺りを書いていて、時間配分が適切かわからない・・といった具合でタイムマネジメントが出来ていないためです。骨子を作成する際に章立ても行うため、時間配分を決めることが出来ます。また問題用紙に対して章を割り振り、適切な行数をあらかじめ決めることが出来ます。これにより、バランスの良い論文構成を構築できます。例えば、解決策とリスクを述べよという設問に対して、解決策に1枚丸ごと割いて、リスクは残った2行だけとなると、リスクに対する点がほとんど貰えません。設問に対して、解答のボリュームが多すぎても少なすぎても駄目だということが分かります。

 

必要なキーワードを盛り込む

 合格論文には多くのキーワードが含まれています。しかしいきなり論文を書き始めると、文章の構成に重点がおかれ、キーワードが置いてきぼりになります。しかし、骨子を作成する段階で、あらかじめテーマに合わせたキーワードの抽出を行い、確実に盛り込めます。

 

 

 

2.技術士二次試験における骨子作成方法

 以前の記事『技術士二次試験 筆記試験 問題文が攻略の鍵』において、本番の段取りについて説明しました。

 

chuckmechanicalpe.com

 

 

 その中でも骨子の作成について触れていますが、もう少し詳細を解説していきます。

①章立てを行う

 設問とリンクするように、キーワードを盛り込んだ章立てを行います。設問とリンクとは、設問に対し、大見出しを一つつくり、設問の中で2,3の解答を求められる場合は小見出しを設けます。例えば、『解決策を複数考え、そのうち最も重要と思われる解決策のリスクを述べよ』という設問なら、

3.柔軟性のある機器設計に対する解決策・留意点

3.1. 解決策

 

3.2. リスク  

3.3. 解決策

 

 といった具合です。この時なるべく短文になるよう意識します。この時点で冗長文を書くと、文字数が足りなくなり、キーワード不足になりま結果論文の中身が薄くなります。

 

②キーワードによる肉付け

 前項で作った各章に対し、関連するキーワードを列挙します。課題が柔軟性のある機器設計なので、一旦製品開発に関するキーワードをあげていきます。

この時、マトリクス表が覚えられているとアウトプット時間が短縮できます。

 

chuckmechanicalpe.com

 

 

3.柔軟性のある機器設計に対する解決策・留意点

3.1. 解決策

アディティブマニュファクチャリング、ラピッドプロトタイピング、デジタルエンジニアリング、AI、IoT、CAD、CAE、フロントローディング

3.2. リスク

安全確保が出来ない恐れ

納期遅れ

設備コスト増

3.3. 解決策

QFD、DR、リスクアセスメント、FMEA、ナレッジマネジメント、LCA、ISO9001

 

 

③キーワードの選定

 ②で列挙したキーワードがつながるように、不要なものを消し込みます。必要なもので構成した最終的な章立てが以下になります。

 

3.柔軟性のある機器設計に対する解決策・留意点

3.1. 解決策

3.1.1. アディティブマニュファクチャリング(以下AM)

3.1.2. AIによる自動調整

3.2. リスク  ※安全確保が出来ない恐れ

3.3. 解決策

3.3.1. リスクアセスメント

3.3.2. FMEA

  

3.最後に

 一つだけ注意して頂きたいのは、骨子は必ず作らなければならないというものではありません。問題用紙にも書く必要がなく、点数に結びつかないためです。あくまで論文作成のための方策の一つにすぎません。受験者の中には、頭の中でイメージするだけで合格論文をかけてしまう強者もいるでしょう。そういう方は、本文を仕上げるための時間が多く残されています。

 最終的には時間との戦いです。自分の論文記述ペースと相談しながら、どこまで骨子を作りこむか?をあらかじめ決めておくことをお勧めします。