30代技術士の成長記録

令和元年度技術士二次試験に合格した30代技術士(機械部門)の成長記録です

技術士二次試験機械部門 ものづくり白書の勉強方法

 今回は技術士二次試験においても重要な資料である「ものづくり白書」について、勉強方法を解説していきたいと思います。

 

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ものづくり白書とは?

 技術士二次試験を受験される方で白書を知らない方はいないと思いますが、念のため解説します。白書とは政府の省庁ごとにその分野の現状や活動状況、将来像などを明らかにした公式文書で、政府つまり国が国民に対して情報を提供するための手段として利用されています。白書には経済白書、ものづくり白書、エネルギー白書、環境白書、国土交通白書などがあります。

 ものづくり白書とは以下のように定義されています。

「ものづくり白書」は、「ものづくり基盤技術振興基本法」第8条に基づき国会に毎年報告する年次報告書で、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策を取りまとめたものです。

厚生労働省ホームページより

  ものづくり白書には、製造業に関する現状から将来展望までを理解するのに重要な情報が集められており、これらは技術士二次試験特に筆記試験において大いに活用できます。ものづくり白書は毎年発行されており、二次試験においては前年(例えば2020年の試験なら2019年)の白書を読み込む必要があります。本年度令和2年度の試験は2019年のものづくり白書です。それではものづくり白書をどのように勉強していけばよいのか?具体的に説明していきます。

 

ものづくり白書の勉強方法

なぜものづくり白書なのか?

 技術士は国が認めた技術者=国の考えに共感しているものという扱いですから、まず国の考えを理解しなければなりません。それに基づき課題の設定や解決策を論文でアピールする必要があるのです。

 技術士は21部門から構成されているため、関係省庁が発行している白書を知ることから始めなければなりません。例えば、機械部門ならものづくり白書をまず押さえたいです。ものづくり白書には、その時代毎の問題に対する考え方や、課題への取り組み方などが記載されています。これは大企業、中小企業へのアンケートた統計情報をもとに考察されたものです。つまり客観的なデータとして技術士試験に活用できます。また、将来展望や実際に国が進めている施策が明らかにされており、解決策の糸口になり得ます。

 以上の理由から、ものづくり白書を押さえる必要があることが分かります。

 

 注意しなければならないのは、記載内容をそのまま論文として書いても点数にならない恐れがあるということです。あくまで国が示した方針に従い、独自の意見を述べることに集中します。 

データよりも本で読もう

 まずものづくり白書は先行で経済産業省のホームページより確認できます。つまり無料で読むことが出来るのです。その後暫くしてから書籍化され、こちらは有料で4000円弱します。

 

 昨今ペーパーレス化が進み、本もタブレットで読む時代になりましたが、この白書もデータ版ならスマホでいつでもどこでも見ることが出来ます。この活用方法自体は間違っていないと思います。しかし、私はそれでも本を購入して読むことをお勧めします。

 理由は2つ。一つは編集しやすい点です。大事な部分にマーカーを入れたり、メモを書き足す、自分の意見を入れるなど、ただ眺めるよりも勉強効率が上がります。他の資料と紐づけることで、理解も進むでしょう。

 二つ目の理由は情報が吸収しやすい点です。スマホやタブレットは他にも用途があり、なかなか集中できません。また簡単に見ることが出来るので、自分の知りたい情報しか頭に入ってきません。ものづくり白書というのは300ページ以上ありますから、欲しい情報があれば検索をかけてすぐにたどり着くことが出来ます。しかしそれでは断片的な情報しか入ってきません。出来る限り流し読みでもいいので一通り目を通してほしいと思います。その中で、必要な情報を得るためにページをめくる過程で何度も目にする情報が、やがて全体像を容易にイメージするための基盤となるのです。 

インデックスシールを貼ろう

 とはいえ、やはり資料として毎回300ページを端から端まで眺めるわけにはいきません。本当に必要に迫られた時のために、情報を整理すると良いです。私の場合はインデックスシールを貼るようにしています。この行為、実はかなり時間がかかります。しかしそれにより、本文をじっくり眺める時間を作れるとも言えます。私は常に無駄な時間を単に無駄な時間と切り捨てるのではなく、何かに活かせないか?と考えながら行動しています。勉強でも同じことが言えますね。 

総論を押さえる

 前述した通り白書はかなりのボリュームです。文字が比較的多いですし、初めて聞く単語も多いかと思います。一通り読んだだけで中身を覚えれる人ってなかなかいないはずです。しかし、概要だけインプットできれば、時間がかかっても記憶が定着しやすいです。常に話をつなげながら読むことが出来るからです。その為にも冒頭の総論を押さえましょう。試験前の復習も、だらだらページをめくって眺めるくらいなら、総論で大まかな流れを復習したほうがマシです。

数字は正直覚えられないので後回し

 数字を論文に入れることで論述の説得力が増します。しかし諸刃の剣です。数字は言葉よりも覚えにくく、そもそも出やすい数字というのがこれといって無いため、無理に覚えようとするものでもない、と個人的には考えています。実務ではその都度調べて使う類のものですね。よって、基本的には覚える必要はないと考えます。~は~の3倍くらいとか相関性を覚えておくくらいなら良いかもしれませんが。 

関連キーワードを事前に勉強しておく

 IoT、AI、5G、SDGs、Society5.0など関連するキーワードが予め理解できていると情報の吸収スピードが速まります。逆になぜこのキーワードが必要なのか?というのもものづくり白書を読めば理解できますので、並行して勉強していきたいです。

 

 

 

 

最後に

 今年に入って猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響で、技術士二次試験の日程も2カ月後ろにずれました。ものづくり白書は、例年問題文の作成時期の関係で、前年度の白書が参考になるといわれていますが、今年はどうでしょうね。仮に問題を出されても古い情報をもとに回答すべきか悩みどころです。私なら総論だけでも2020年ものづくり白書を読み込みます。試験まで時間もありませんし、可能な限り早く私見を記事に出来たらと思います。

 ※2020年版ものづくり白書の解説を記事にしました。以下のリンクから確認ください(2020年8月10日追記) 

 

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