前回の予告通り、技術士試験の本質について記載します。キーワードは『最高峰にも色々』です。一応断っておくと個人の見解であり、私自信が技術士試験を運営している訳ではない点ご了承下さい。
(2020.08.13更新)
技術士試験の本質
まず技術士とは、国よって科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者である、とされています。技術系では最高峰の資格です。もちろん試験を通して認められる(選別している)わけですが、これはとても難しいことをしていると思います。なぜなら、世の中には様々な技術があり、それを扱う技術者がいます。彼らを客観的にみて、優劣をつけることができるでしょうか。答えはノーです。技術者の実力は経験がものを言います。比較する人間が全ての技術に精通していない以上、不可能なんです。
つまり技術士試験は、客観的な評価が通じる最低ラインを超えているか否かをみられている、と考えます。これが本質です。よって、私の様に勉強してギリギリ受かるような技術士から、大して勉強しなくても受かる大変優秀な技術士もいます。つまり最高峰にも色々な人がいるということです。
試験勉強は闇雲に進めても効率が悪いです。どのような基準で合否を決めているか?を見極めることが合格への近道です。
技術士の中でも優劣があるのか?
ではギリギリで合格したからといって、技術士としての評価は低いのでしょうか。答えはNoです。むしろ、これからの伸び代がたくさんある分将来有能な技術者になれる可能性を秘めています。しかも若ければ若いほど望みがあります。もし私が試験官なら、なるべく若い人材に資格を与えたいと思いますが、残念ながら合否にあまり関係ありません。
しかし若いということはリスクも大きいです。なぜなら若いということは様々な色に染まる可能性があるということです。7年という経験年数は人生のなかでも10%程度です。この経歴のみでその人の本質がわかるでしょうか?正直わかりません。将来どのように成長するかを考えて採点することはないでしょう。今この時を技術者として一生懸命生きているか。そしてそれを継続する意思が現れているかを試験で評価されると思います。
一応断っておくと、経験豊かな先輩技術士を否定しているわけではなく、その方々達と同じくらい若い技術士も必要とされている、と言いたいだけなのでご了承ください。
技術士試験勉強の進め方
よく試験勉強において、皆が解けない問題が解けるようになるよりも、皆が解ける問題を確実に解けるようにすることが重要といわれます。これは技術士試験にも同様のことが言えます。もし自分の力量を十分把握できているなら、どの程度の勉強量が必要か?ある程度試算できると思います。
人の勉強時間を参考にされる場合は、その人が元々どのような実力を有しているか、経験をしてきたかを理解し、比較されると良いかと思います。
まとめ
以上をまとめると、
・技術士試験は客観的な評価が通じる最低ラインを超えているか確認するもの
・合否の判断基準を見極めることが重要
・年齢が若いほど伸び代がある分期待値は大きいが、合格し易い訳ではない
・技術者の本質を見抜くために、今一生懸命になれているか、それを継続できる意思があるかを確認している
・目標勉強時間は参考にする人との実力の差分で決める