30代技術士の成長記録

令和元年度技術士二次試験に合格した30代技術士(機械部門)の成長記録です

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【機械設計技術者向け】技術力向上には読書が有効 

 私たち技術士に限らず、世の中の技術者は何かを生み出す為に必死になって目の前の課題に取り組んでいます。私もそうです。新しいものを開発する場合は、過去先輩に教えられたり、客先との協業により得られた知識・経験では太刀打ち出来ないため、必死になって思考を巡らせます。ただ考えてもいたずらに時間が過ぎるばかりです。これはいくら先人たちが同じ道を歩んできたとはいえ、歓迎すべき状況ではありません。まわりくどいのは面倒だという話ではなく、科学技術の発展は速ければ速いほど良いのです。

 

 グローバルな視点で見たとき、自国の技術力が他国に遅れをとる、つまり競争力低下に繋がる恐れがあり、これは国民経済の停滞もしくは後退することにもなりかねない深刻な事態です。

 

 この様な状況をいち早く打破する為には、効率よく知識を得る必要があります。その手段の一つに、読書があります。今回は読書により知識を得る方法を具体的に解説していきます。

 

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読書は大事

 読書は学生の頃から何気なく行なっているものではありますが、自ら率先して知識を吸収する為に行うことって稀ですよね。興味のある文学や趣味の本、マンガなら分かりますが、自分を磨くための所謂啓発本に手を出してこなかった人って結構多いと思います。

 しかし必要に迫られたとき、人間は好きでもない本から何かを得ようと読書します。藁にもすがる思いです。この行為自体は間違っていません。私はそうあるべきだと思います。逆に今必要としてないが、とりあえず知識を得る事でなんとなく自己肯定感を高めようなんて考えている人は、やめた方がいいです。本当の成長に繋がりません。癖でそのようなルーティーンに嵌っている人は、まず本を読む前に課題を見つけるべきです。

 つまり何かを得る・解決する為に読書はとても大事な行為です。では具体的にどのような本を読めばいいのでしょうか?

 

技術力向上の為に読む本

参考書

 知識を蓄えるにはまず参考書です。知識というものは幅広いため、参考書は大抵の場合分野毎にまとめられています。まずは以下の手順に従って探してみましょう。

 

①自分の抱えている課題を抽出する。

 例)製図に関する課題を抽出

  →CAD操作能力向上

  →溶接記号の種類と描き方を覚える

  →幾何公差の知識習得

  →検図力向上

②課題に対し重要度や難易度などを設定し、優先順位を付ける。

   例)→CAD操作能力向上:難2 X 重3 =6

       →溶接記号の種類と描き方を覚える :難4 X 重3=12

       →幾何公差の知識習得:難5 X 重3=15

  →検図力向上:難4 X 重4=16

 よって検図力向上を最優先事項とする。

③課題が絞り込めたらキーワードを決めて該当する本を探す。

 例)キーワード:製図 検図 検図力 ミス チェックなど

   以下が該当しました。

   →『ついてきなぁ!設計のポカミスなくして楽チン検図:(著)国井義明氏』

   →『ベテランの技を盗め!設計ミス防止のための検図の着眼点と進め方:(著)岡村大氏』

 

 

 

 

 本を探す手段について説明します。インターネットから探すのもいいですが、私の場合まず書店や図書館で物色します。理由は二つあります。一つはインターネットは検索の仕方次第でフィルターがかかってしまい、本当の良書に出会える可能性が低いからです。本当の良書とは、万人受けする本ではなく、あなたにとって有益な本です。インターネットはより購入率の高い本が上位に来やすいです。ブログと一緒ですね。本当に欲している情報が目につきやすいところにあるとは限らないのです

 二つ目の理由は中身を確認することができず、欲しい情報を有しているか分かりにくいためです。どうしても利用するなら、書店や図書館で見つけた本のレビュー(評価)をみたり、購入する手段として利用するのが望ましいです。特に図書館で見つけた本は、書店に置いてある可能性が低いです。※あくまで私の経験上です。都会の大きな書店なら探せばあるかもしれませんね。

定期刊行物

 定期刊行物とは、一定の間隔で刊行される雑誌などの出版物を指します。例えば以下のような雑誌があります。(分野が偏っててすみません。。。)

・月刊誌「クレーン」:日本クレーン協会発刊

・月刊誌「機械設計」:日刊工業新聞社発刊

・機関誌「産業機械」:日本産業機械工業会発刊

  定期刊行物の良いところは、その時々の最新の技術やトレンドが分かるところです。最新情報は定期刊行物か展示会などでしか、纏まった情報は得られない認識です。技術士二次試験においても、定期刊行物や毎年発刊される白書を読み込むことは大変重要です。試験に受かるだけでなく、購読する癖がつくというのが最大のメリットでしょうか。しかし、定期刊行物というのは大体毎月発刊されますので、経済的な余裕がないと難しいです。しかも私の印象では、全体の半分も知りたい情報はありません。(逆にもう半分は大変有益な情報ではありますが)

  お勧めは図書館で目当ての雑誌を借りることです。無料でしかも多くの種類の雑誌を読むことが出来ます。もし有益な情報が得られれば、後で購入すればいいですしね。

小説

 参考書や刊行物などの専門書ばかり読んでいては疲れてしまいます。たまには息抜きもかねて小説を読むのもいいと思います。

 科学をテーマにした小説なら、フィクションであっても勉強になる知識は眠っています。特に、私たち機械設計者は、同業者を探す事に苦労するぐらい分野が細分化されています。例えば、産業機械といっても、運ぶものによって全く異なる機械を設計しなければなりません。規格も全く異なります。自動車であってもエンジン設計と内装設計では畑違いだという事です。

 ベタですが、下町ロケットは私にとってはとても新鮮な内容でした。まずロケット関連の設計とはどのような知識が必要か?という興味もあり、知らない言葉が出てきたら、自分で調べることも苦ではありません。技術者ならではの葛藤や挫折も共感できます。そう、異文化交流をしている気分ですね。

 

 

 

 

 

 また、『星を継ぐもの』も私の心に残る小説のうちの一つです。主人公をはじめとした様々な学問の分野に携わる科学者達が、一つの謎を解き明かす過程で味わう苦悩や達成感がリアルに描かれており、技術を扱うものとして大変共感できます。続編も出ておりますので併せてご確認ください。

 

最後に

 技術者というのは常に興味を失わないことで進化し続けると考えています。進化を止めない為にも、刺激となる知識はどんどん得る必要がありますね

 そして最新の技術や情報を得るというところに大きな意味があると考えています。常に進化する技術に向き合うためにも、自分自身が常にアップデートされていなければなりません。自分の所持している本以外にも、良書が眠っていたり新しく発刊されているかもしれません。よって本の選び方というのは、とても重要なことのように思います。

 近いうちに、機械設計技術者としてお勧めしたい本をまとめた記事を書きますので、併せて読んでいただけると幸いです。